▶新たな緑内障手術:プリザーフロマイクロシャント手術(1)
2024年09月15日
前回のコラムでプリザーフロマイクロシャント手術について、簡単な紹介をさせていただきました。緑内障は、進行すると視力を失うリスクがあるため、適切な眼圧の管理が非常に重要です。プリザーフロマイクロシャント手術は、従来のろ過手術に代わる眼に負担の少ない治療法として注目されており、すでに当院でも採用しておりますが、今回正式に認定されたことを報告いたします。
そこで今回、2回にわたって、このデバイスの有効性について、より詳しく説明したいと思います。
プリザーフロマイクロシャントは、眼内の房水(目に中にある液体)を眼外に排出する事で眼圧を下げるデバイスです。長さは8.5mm、内径はわずか70μmと非常に小さく、ポリスルフォンという生体適合性材料でできているため、眼組織に対して非常に低侵襲で、体内での安定性が高く長期的に機能し続ける設計となっています。
従来の緑内障手術(トラベクレクトミーなど)に比べて、手術リスクが低く、眼圧下降もほぼ同程度で、術後の回復も早く、特に中等度から重度の緑内障患者様に有効とされています。
次回は、具体的にどのような有効性があるのか、いくつかのポイントに分けて具体的にご説明したいと思います。(文責;副院長)