▶緑内障手術の新たな術式を採用しました
2024年06月05日
緑内障診療ガイドラインによると、緑内障とは「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」と定義されています。
眼圧を十分に下降させることが唯一の治療になるわけですが、その手段の一つに手術が
あります。
緑内障手術には大きく分けて流出路再建術と濾過手術の二種類の方法があります。
前者は当院でも従来から行われてきた術式で、後者と比較すると合併症は少ないが眼圧
下降効果はやや劣ります。軽度から中等度の緑内障の方や使用している目薬の種類を1本でも減らして日常の負担を減らしたい等の患者様に向いてます。
一方、濾過手術は緑内障の進行が早い、眼圧が思うように下がらない患者様で、より厳格に眼圧を下げなくてはいけない場合に適応となります。
従来の濾過手術は眼圧下降効果は優れているものの、合併症の発生率がやや高く、術後
の眼圧が安定するまで時間を要したりと管理が難しい側面があり、クリニックで行うに
は少々ハードルの高い術式でした。
しかし、近年プリザーフロマイクロシャント手術という新しい術式が開発され、低侵襲で合併症の発生率も低く、将来的にも期待が持てる術式と考えられていることから、今回当院でも採用する運びとなりました。
緑内障治療の基本は点眼薬ですが、生涯にわたって緑内障と上手に付き合っていくための一つの手段として本術式が有用と思われる患者様には提示、選択していきたいと考えております。(文責:副院長)