▶再び「Best Doctors in Japan」
2022年08月05日
前年度(2020-2021)に次いで、今回も「The Best Doctors in Japan 2022-2023」に選出されました。この制度や選出方法については、前回お話しいたしましたので、そちらをお読み下さい。他の医師の推薦によって選出されるというこの制度にどれだけの価値があるのか分かりませんが、兎に角小生を推薦してくださった先生方には謹んで御礼申し上げたいと思います。
医学生当時「名医たらずとも良医となれ」という教育を受けた事を憶えています。どの様な医師が名医なのか?どうしたら良医になれるのか?名医でなくても良医になれるのか?臨床経験の全く無い医学生がいくら考えても正解に辿り着くことは困難でした。
眼科医になりたての頃、眼科学の世界的権威であった恩師中島章教授から眼科手術に対する心構えとして「迷ったら止めろ」という教えをいただきました。この教えには、「手術というものは、人様の身体を傷つけるものだから、余程慎重にやらなければいけない。どんな小さな手術であっても本人にとっては大きな負担となるから、やらないで済むものならそれに越したことはない。何もしない事が最も正しい治療法になる事もあるのだ。」という意味が込められていたように思います。各々の患者様の立場に立った誠実な医療とは何か、を考える上で大きなヒントになるご教示だと感じました。
日常生活上なんの不便も感じない患者様や矯正視力(1.0)の患者様に「合併症の無い安全な手術だから。」「歳をとれば必ず進行するから今のうちにやりましょう。」と言って白内障の手術を勧める手術の上手な名医はたくさんおります。一方、「あなたにとってその手術が本当に今必要なのか?落ち着いてもう一度考えてみましょう。」と問いかける眼科医は少なくなったように思います。
眼科医としての45年間の経験の中で、多少とも他人様に認めてもらえることがあるとすれば、「どの様な眼科医療を患者様に提供する事がBest なのか? 誠実な眼科医療とはなにか?」を常に模索して来たことではないかと思っています。