▶新型コロナワクチンの眼科的副反応

2021年10月22日

 令和3年10月19日現在、日本における新型コロナウイルスに対するワクチン接種完了者(2回接種者)は8650万人、全人口の68.8%に達したそうです。最近の感染者数急減には、ワクチン接種が大きく貢献しているものと思います。一方、このワクチン接種による副反応についての大規模な調査も報告されています。ファイザー社製のワクチン接種1億回以上を対象にした接種後の副反応報告によると、副反応疑いとして報告された症状疾患は、接種部の腫脹・発赤・疼痛、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、筋肉痛などが主なものです。しかし、これらの諸症状以外にも、ほとんど全身に渡ってありとあらゆる症状や疾患が報告されています。眼科的な障害もたくさん報告されています。最も多かった症状は、眼(結膜)の充血、眼瞼の腫脹、視力低下、眼のかゆみなどでした。病名としては白内障、緑内障、網膜裂孔、網膜剥離、網膜出血、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、結膜炎、強膜炎、虹彩炎、ぶどう膜炎、視神経炎、硝子体混濁、眼球運動障害、光視症などが報告されており、眼科的な副反応もとても多彩です。私の患者様の中にも、1回目の接種後2日目にぶどう膜炎を発症した方がおられました。一週間で炎症は消失し、2回目の接種では全く炎症は出ませんでした。この方は、もともとぶどう膜炎の既往があり、ワクチン接種の副反用かどうか診断に迷う所です。新型コロナウイルス自体も、ワクチン接種も非常にうっとうしいですね。第六波が来ない様に祈るばかりです。皆様、今後も油断無く、感染防止に努めていただきたいと思います。