▶小児の近視眼に対するオルソケラトロジー治療について
2021年07月09日
オルソケラトロジー治療とは、特殊な形状の高酸素透過性ハードコンタクトレンズを夜間就寝時に装用することによって、角膜前面を平坦化させて近視を矯正する方法です。この方法で十分な矯正が得られれば、昼間はメガネやコンタクトレンズが不要となり、裸眼で快適に過ごすことができます。また、装用を中止すれば、角膜形状や屈折状態は元に戻りますので、可逆的な安全性の高い方法と言えますが、長期的な副作用については、新しい治療法ですので解っていないのが現状です。一方、近年小児期にこのレンズを継続して装用すると、眼軸長の伸展が抑制され近視の進行が抑制されることが解ってきました。成人後、強度近視になると様々な重篤な眼の病気を引き起こすことが知られています(悪性近視)。本方法は、単に近視を矯正するだけではなく、強度近視とそれに伴う重篤な眼合併症(悪性近視化)を予防できるという点で大変意味のある治療方法と思われます。